再び飲み、誰と食べるか

To drinking again,With whom do you eat
ちょっとした試みとして、タイトルに英語を入れていこうと思う。
いつしか身につくかも知れない。
不思議なもので英語というものは中学、高校、大学と勉強しても全く身につかないものである。
それではあんまりだというので・・・


昼近くに目が覚める。
外はまだ雪だ。
大分酒を飲んでいたので軽く頭が痛む。
食欲が一切ないまま夕方を迎える。


今日はI氏と久しぶりに飲むことになっている。
関内に向かい、I氏、AS氏、A氏と合流する。
A氏はAS氏の中学時代からの友人とのことであり、お会いするのは初めてであるが、気のいい人であまり緊張せずにすんだ。


店はたまたま僕が金融系の雑誌で見かけた店で詳しい素性は一切知らず、場所も裏通りにあるので、行く途中迷子になってしまった。
店に電話を掛けて訊いたのだが、まったく分からなかったので、ブティックに入り、道を訊こうとしたら
「ワタシアマリヨクワカリマセン」
と、片言の日本語で返答された。
どうにも日本人の方ではないようだった。
礼を言い、視界に入った二人組みに「あの・・」と声を掛けた。
自分が声を掛けた相手を見るといかにもヤ○ザ風のお方。
目を凝らすと肩越しには先ほどは見受けなかったベンゾーさん(ベンツ)が停まっている。
「何?」と、ヤ○ザ(風のお方)
(たった二文字でこれほど怖いものがあったとは・・・)と思いつつ、声を掛けた手前、途中で止めるわけにはいかず、

僕:○○ってお店探してるんですが・・
ヤA:○○? しらねぇなぁ・・・
ヤB:何やってる店?
僕:ヤキトリです
ヤA:ああ それ○○じゃなくて○△だよ
(どうやら 読み方が若干違ったらしい)
ヤB:それなら あの車あるだろ?あの車んとこ曲がったとこにあるよ
僕:やー どうもありがとうございます


お礼を言って二人と別れたあと、何故か二人は先ほどのブティックに入っていったのだが、きっとこれ以上は想像しない方が懸命なのだろうと考えた。


目的の店に着くとマスターらしき人が
「いらっしゃいませぇぃ こんな雪の中わざわざとうもありがとうございます!!」
と気合の入った挨拶である。一気に気分が良くなる。
飲食店たるもの、味の良し悪しは大事だが、まずは雰囲気なのだ。
I氏達と席に着き、AS氏が「メニューありますか?」と訊くと、店員さんが「メニューはすべておまかせになるんですので、お飲み物だけお伺いします」だそうである。
I氏は「今日は寒いからあったかいのがいーなー」といつもの口調で言い、女性陣はお茶割り、僕とI氏は熱燗を頼んだ。
僕が知る限り、I氏は日本酒は飲まなかったはずであったので、正直少し驚いた。
それからI氏と「こんな日はモツ煮込みとか食べたいねぇ」などと話していると、つきだしには浅漬け盛り合わせ、らっきょうと、モツ煮込みである。
僕とI氏は目を見合わせて「この店やるねぇ〜」と笑顔になる。
モツ煮込みを食べていると他の客に対し「黒毛和牛のステーキです」という声が聞こえた。
目を輝かせて「今の黒毛和牛って気になるなぁ」とI氏。
僕も「すごい魅惑的な響の韻だったんすけど」と答える。
そんな会話が終わるか終わらぬうちに出てきた黒毛和牛。
「おいおいいきなりかよっ」と一同嬉しい悲鳴。
見た目がすでにヤヴァい。エロチシズムすら感じる。


僕:やばいっすよ この肉感
I:これ絶対熱々のうちがいいやね
AS:これすごーいっ
A:きゃー


この後も出てくる品々どれも凄いものがある。
ハツ、レバー、皮、軟骨、つくね、首。
どれも超絶品である。
串以外にも手羽先から揚げは絶品中の絶品である。過去食べたから揚げの中では最上級。
から揚げ好きで、某から揚げ掲示板にも参加しているというツワモノI氏も大絶賛である。
そんな美味い料理を食べながら、大学時代の話や田舎の話し、蕎麦の話しや最近の時事ネタの話しなんかで盛り上がる。
初対面のA氏は時事ネタにはかなり精通している。
僕は経済系、I氏はIT関係、ASは金融系が得意ジャンルである。
この手の話しはするのも訊くのも好きである。
奥さんが帰ってきたら、定期的に食事会やろうか とか、I氏のお父さんの打った蕎麦でも食いに行きますか などと話す。
奥さんの居ない間にすっかり楽しんでしまったのだが、A氏という新たな知り合いも出来たし、帰ってきたら楽しめる企画も出来た。悪くない。


皆と別れ、帰りにふらふらと歩きながら、I氏と飯を食べるのは楽しいなぁ とふと考えた。
思えば不思議な関係だ。
サークル繋がりであるが、僕が1年の時に5年生のI氏。
麻雀を打てばその固い打ち筋から通称はぐれメタルと言われていた。
5年生なので学校にはほとんど来ず、そのため、遭遇率はツチノコ以下とも言われた。


そんなI氏とは何故か縁があるらしく卒業後の今も繋がりがある。
まったくもって人の縁とは不思議なものである。
そして、飯や酒は何を食べるか(飲むか)よりも誰と食べるか だなと考える。