沖縄 3日目

朝、朝食をとりにホテルの食堂に行く。
ビュッフェ形式の朝食の中に何故かあるのはカツカレー。
「何故カツカレー?」と疑問に思う。
そして昨日同様美味しいパンとポークたまごなどを食べる。


3日目は西表島へ行く。
船に揺られること約30分。
西表島に到着。カヌーを少しやろうと思ったが、
前日までに予約が要るとのことなので、遊覧船に乗ることにした。
遊覧船に乗り、船頭さんの説明を聞きながら、マングローブの森を眺め、川の上流へと向かう。
説明ではマングローブという木は無く、熱帯植物の総称だそうな。
また、マングローブの木の根が地面から突き出しているのは呼吸をするため とか、オスメスがある など色々な説明が続いていく。
途中、船のスクリューが土をえぐることがあった。
その際に船頭さんが言うには船が走る川の干満差は2mあるそうで、僕が行った時は丁度干潮に近い時間帯だったようである。


折り返し地点で船から降り、樹齢何百年という木を見学する。
ビデオカメラをまわしていると、足に痛みが走る。
足を見ると右足に蚊が3匹もいた。
手で追い払っても、腕や顔、足と蚊は次々と襲ってくる。
さすがは自然の宝庫。蚊もパワフルである。
そのようにして、もと来た川をまた港へと戻る。


次に船に乗り、沖へと珊瑚を見に行く。
今回の旅行では妊娠中の奥さんと共に出掛けたので、
僕だけスキューバとというわけにもいかず、珊瑚は諦めていたが、
潜水艇のような船で珊瑚が見れるという便利なものがあった。
その船に乗り、珊瑚のポイントへと向かう。
初めて見る珊瑚はとても大きく、海は言葉では表現できないキレイさであった。
思わず僕の好きなジャン・レノ主演の映画「グランブルー」を思い出す。
あの映画で見た映画も美しかったが、直で見る海はやはり感動的にキレイである。
そして感動覚めやらぬうちに西表をあとにする。


石垣島に戻り、昼食をとる。
入ったのは「やぎ汁」の看板をでかでかと掲げた「トニーそば」。
やぎ は旅行前に絶対食べようと思っていたもののひとつで、
フットサル仲間のS氏も大絶賛の一品である。
店に入ると「おばぁ」には若干到達していないかな?と思われる女性が三線を弾いていた。
こういう情景がなんとも言えず良い。
そこいらの飲食店の女主人が当たり前のように楽器を奏でるのだ。
店ではやぎ汁 を注文しようと思ったが、やぎそば なる物があったので、
僕はその「やぎそば」を、奥さんは店名にもなっている「トニーそば」を注文した。
トニーそば」は俳優 赤木圭一郎(通称:トニー)の大ファンと思われる主人が考案したと思われるそばで、島豆腐、三枚肉などが乗ったそばである。
それと沖縄に来て以来、まだ口にしていない「ミミガー」もあったので、「ミミガー」も注文した。
やぎ肉はとてもあっさりした味で、どちらかと言えば女性向きの肉であった。
酢味噌で和えたミミガーはしゃきしゃきした歯ごたえがたまらない。
女主人の人柄と三線の音色に感嘆し、店の旅行者用のノートに一筆残すことにした。


昼食を済ませ、帰り支度の第一歩、お土産選びを始める。
沖縄と言えば、泡盛やその独特の食文化ということで、お土産もそういった系統のものする。そして、自分への土産として旅行前からずっと決めていた三線を買う。
楽器はこれまでほとんどやったことが無いが、沖縄へ行くと決めたときから三線を始めることにしていたのだ。(ちなみにそんな僕に触発されてか、前日奥さんも三線をすでに買っていた)
三線を買うと、昨日ぶらぶら歩いているうちに見つけた、雰囲気の良い陶器屋へ向かう。
BGMも流れず、もの静かな雰囲気、置いてあるのは本当に陶器だけ、隅っこに女主人がちょこんと座っている。昨日見つけた時に一発で入ったその店「つぼや」はどことなく高校時代に足しげく通った小さな本屋に似ていた。
店内をずっと見て周っていると女主人が奥さんに話し掛けてきた。
「足が随分酷く火傷したみたいになっているけど大丈夫?」
連日の強い日差しに加え、日焼け止めを足にまで塗るということに気が回らなかったので、奥さんの足は真っ赤に腫れ上がり、女主人のいうように火傷したようになっていたのだ。
そのような理由を女主人と話し合っているうちに我々は女主人とどんどん打ち解けていき、沖縄土産として自分用に酒器を買おうと思っていることを話すと、酒器について女主人は色々と教えてくれた。飾り用の酒器と実用の酒器、窯や沖縄の陶芸家についてなど。
値段は結構するものなので、僕と奥さんがそれぞれ気に入ったものを選び、じゃんけんで1つ決めることにした。じゃんけんは奥さんが買ったが、焼酎を飲むのは僕だけだし、僕が物凄く物欲しそうにしていたので、結局僕の欲しがったものにすることにした。
決めた後に女主人に訊くと僕の選んだ酒器の陶芸家は酒好きで有名な陶芸家だそうで、泡盛用のコップ(?)などを作ると、他の陶芸家よりも大きいコップを作るという話もしてくれた。この話には思わず夫婦共に笑みがこぼれ、そのコップも買うことにする。
良い雰囲気や主人と会ってしまうと財布の紐も緩んでしまう。


一通り買い物を済ませ、メインストリートへ戻ると商店街のど真ん中で、太鼓を持った男女数名が踊っていた。
沖縄では旧盆の季節となり、このようなパフォーマンスが行われているらしかった。
男女ともに勇ましく太鼓を叩いて踊る姿に思わずビデオカメラをまわす。
このような時期に来れたとは運が良い。
しばらくして踊っていた人達が踊りを止めると、周りで見ていた人達を通りの中心に引っ張って行き躍らせだした。
はじめに奥さんが連れて行かれたので
「こりゃいい画が撮れるなぁ」
などと余裕をぶっこいていたら、次の瞬間には僕も連れて行かれた。
演者にとっては僕がビデオカメラをまわしていることなどお構いなしだ。
大勢のギャラリーが居る中で捕まってしまうあたりがなんとも言えず僕らしい。
諦めで見よう見真似で踊っていると、いつの間にやら踊りの輪から抜け出した奥さんがビデオカメラをまわしている。
ミイラ取りがミイラになった瞬間である。
だが恥ずかしいながらも良い思い出が出来たので大満足である。
これぞ沖縄。


踊りも終わり、今日も居酒屋へ向かう。
今日の手荷物は全て店から郵送してもらうことにしたので、ホテルに戻ることなく、そのまま居酒屋に行くことにした。
行った先は昨夜行こうとした店「南風(ぱいかじ)」。
ここは全ての料理の量が多い。
今日は最初から泡盛を注文し、
フーチャンプルー、
揚げ島豆腐、
くーぶいりちー、
うみんちゅサラダ
を頼む。
奥さんがあまり食べられない上に他の店よりも量が多いため、
お腹が一杯になった上、若干吐き気が・・・。
美味いのに食えないとは歳をとったものである。


早めに夕食を終えてしまい、お土産も買いきってしまったので、
どうにも手持ち無沙汰になってしまった。
そこでアイスでも食べに行くかという話になり、
アイス屋を探しに出かける。
が、まだ夜遅くないとは言え、アイス屋がやっている時間でもない。
ぶらぶらしていると大型スーパーがあったので、ここなら何かあるだろうということで、スーパーに入る。
(ここでも先日の下痢ツボが効いたのかトイレに駆け込む。)
店内を見てまわり、僕が知っているスーパーと随分と違うんだなぁと感じる。
まずは刺身。マグロの刺身が自宅近辺の半値くらいの値段である。
というよりは同じ程度の値段で量が倍と言った方が正しいかも知れない。
そして大根のつまがない。
普通のスーパーにもつまがない刺身はあるが、ここのスーパーではつまがあるものが無いのである。
そして肉、豚肉の量がやはり多く、名前も本州とは違うようである。
モツを中身と言ったりと呼び名が随分と違った。
蒲鉾はもう形から色、名称まで大分違うようである。
炊き込みご飯は「じゅーしー」と札が貼ってあり、
同じ日本でここまで違うのか と考える。
そしてブルーシールのアイスを買って食べ、ホテルに戻る。


旅行に行くとスーパーに行くのが楽しい。
そこには観光スポットでは分からない地元の人の生活を知ることが出来る。
どの位の物価であるか、普段はどんなものを食べているのか、そういったことを知った上でする旅行はとても楽しいし、さらに地元の人の為の値段なので、観光スポットよりもはるかに安い値段で土地のものが手に入る。これはなんとも言えず嬉しい。
そしてこうした傾向は文化的に離れている土地(例えば海外)ほど顕著に現れる。


このようにして3日目が終わる。