父

本日納期の仕事を無事終える。
コンスタントに残業を重ねたお陰でなんとか間に合った。

奥さんから赤ん坊が５，６人ほど並んだ画像が送られてきた。
どれが自分の子供か分かるか？と訊かれたが、どれか分からなかった。
何しろ時間にしたら２時間ほどしか会った事がないので勘弁していただきたい。

通勤中に音楽を聴かなくなったのと、自分が父親になったせいで、オヤジのことを良く思い出す。
実家のぜんまい式の古い壁掛け時計のネジを回すのはオヤジだけだった。
「体育の成績が悪いのは親の遺伝だな」と愚痴ったら、子供の頃の成績表をわざわざ引っ張り出し、「お父さんは体育悪くなかった」と言った。「勉強も出来た」と訊いてないことまで自慢し出した。
電球や電池は常に買い置きを準備しておくタイプだった。
ＮＨＫの”生き物地球紀行”を録画しておくように頼まれたのを忘れたら、まるで犯罪を犯したかのように怒られた。
台風で堤防が崩壊すると必ず見に行った。
よく家族の絵を描いていた。
自分だけは美化して描いていた。
かぼちゃはひき肉の餡が掛かったものはあまり好きでなかった。
「わくわく動物ランド」と「クイズ１００人に聞きました」が好きだった。番組が好きだったのか、関口宏が好きなのか良く分からなかった。
茶碗は台座の部分を握るように持つ変な癖があった。
トヨタが死ぬほど嫌いだった。日産は話題にも上らなかった。
美川○一と桑田○祐も嫌いだった。
手塚治虫と美空ひばりと本田宗一郎を崇拝していた。
理由は分からないが東京都立大へ行きたかったらしい。
井戸水の特性について良く語っていた。

どう贔屓目に見ても少し変わった人だった。

一方の僕はと言えば・・・
帰りに丸井でおいしそうな名古屋風手羽先を見つけ、１パック３８０円かと思って１パック頼むことにする。
店員から「最後だから少しおまけして　１２００円でいいですよ」と言われ、かなりびっくりする。
良く見ると１００ｇで３８０円と書いてあった。
こういうタイプの人間である。